U65、現場は、サッシュ、硝子が入り内外装工事共、活況となる。内部では鉄骨階段の取り付けが終わり、屋上まで外部足場を使用せづに行ける様になる。屋上では、左官が防水下地調整を行い、防水工事着手の為、含水率を計測する。規定値8%目標値4%、実測値4.3%、来週から防水工事が着手出来、1週間を見込む。
防水工事を大きく分けると、線防水と面防水に分かれる。線防水の代表はシーリングであり、面防水の代表は、アスファルト防水や、ウレタン防水などとなる。当現場では、シーリングはポリサルファイド系を使用し、屋上は、改質アスファルト系、ベランダは、ウレタン防水系を使用する。
個人的には、在来のアスファルト溶解工法が、厚みも確保でき、出隅、入り隅も完全に施工できるので、使用したいが、住宅街では、臭気、有煙の為、使用する事ができない。設計監理と打合せ、改質アスファルトのトーチ工法を採用する。アスファルト防水の進化した工法で、現場に適した工法となる。
アスファルト防水の歴史は古く、ノアの箱舟にも使用されていたと聞く。日本でもかつては、天然アスファルトが取れ、1800年代ごろから防水材料として使用され始める。一般的に目にするのは、道路舗装(アスファルト舗装)で、建築で使用するのは、ストレートアスファルトとブローンアスファルト、フェルト、ルーフィング等である。
工程は、①プライマー塗布 ②シート1層目張り ③シート2層目張り ④断熱材張り ⑤保護シート張り ⑥伸縮目地入れ ⑦保護コンクリート打設の順になり、天候に左右される。
営繕工事やリノベーション工事で、屋上にあがる事があるが、露出防水は、紫外線劣化、カラス等による防水材料の穴あき、排水ドレーンの詰まり等が多く見受けられる。定期的な清掃点検や再塗装の必要性を常に感じ、出来ることなら、建物にも主治医を付けて貰いたいと思う。